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メタルカラーの時代じだい
―わが国技術者のモノ作り実録証言集―

 

山根一眞(1947~)著。平成5年(1993)から刊行。

「メタルカラー」とは「金属色に輝く襟をもつ人々」という意味あいの著者の造語。

わが国工業界におけるあらゆる分野の技術者にインタビューし、モノ作りの先端技術や仕組み、製作苦労話等を聞き出し、紹介している。

ピアノ線を使った巨大吊橋の作り方(新日本製鐵)、絶対破られない金庫扉(熊平製作所)、東京ドーム巨大膜屋根の原理(太陽工業)、高精度CD用レンズの生産技術(コニカ)、1トンの力でも壊れないファスナーの技術(YKK)など、たいへん興味深い内容となっている。

本書は貴重な日本産業史の証言記録でもある。

山根 東京ドームって、膜状の屋根がしぼまないよう内部には高い空気圧をかけているでしょう?

望月 通常は2台の送風機を回して空気を送ってます。

山根 空気が逃げないよう回転ドアになっていますが、非常時はどうするんですか?

望月 非常ドアも開けっぱなしにします。とはいえ、非常時には36台の送風機全部を回しますので、ドーム屋根はしぼまないんです。

山根 その空気圧のために、東京ドームの中に入ると耳にツンとくる。水圧の高い潜水状態。それで、急に外に出て潜水病になる心配はない?

望月 ありませんよ(笑い)。外気圧との差は0.3パーセント、ビルの高さにしたら7~8階。水深なら3センチ相当とごくわずか。ほとんどの方はまったく気づかないはずなんですが、山根さん、異常体質かな(笑い)。

山根 いずれにせよ東京ドームは一種の風船である。ということは、中の空気が柱の役割をしている。つまり、中にいる人間は「人柱」である(笑い)。

望月 そんなめっそうもないこと、考えたこともございませんです(笑い)。(東京ドーム巨大「膜屋根」技術)

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