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将軍しょうぐん側用人そばようにん政治せいじ
―「側用人政治」を再評価した好著―

 

大石慎三郎(1923~)著。平成7年(1995)刊。

時代劇の影響などで、一般的に悪いイメージが先行し、正当な評価を受けてこなかったのが「側用人そばようにん」(柳沢吉保、間部詮房、田沼意次など)である。

著者はこの「側用人政治」こそが徳川体制の維持を可能にしたものであると高く評価している。

第4回山本七平賞受賞。

 これまで、「側用人そばようにん」というと、必ずしもいい意味では語られてこなかった。むしろ、「君側くんそくかん」といった悪いイメージがつきまといがちだったのではないだろうか。しかし、私は、この「側用人政治」こそが、二百七十年近くにわたる徳川体制の維持を可能にし、さらに日本の「近代」を用意したものではなかったかと考えている。(プロローグ――側用人の時代)


 もし、田沼意次政権が倒れずに、「側用人の時代」がそのまま続いていたとしたら、その時点でおそらく通貨の一本化は実現していただろうし、鎖国も解かれていただろうから、日本は一世紀も早く「近代国家」に足を踏み入れていたと考えられる。しかし、現実には田沼政権はその道の途中で命を終え、その後、百年間にもおよぶ混乱の時代を経て、ようやく日本は「近代」を迎えることになったのである。(エピローグ――明日のための政治)

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