第一句集から第七句集(『鉢の子』『草木塔』『山行水行』『雑草風景』『柿の葉』『孤寒』『鴉』)までを集成した一代句集。
独特の自由律俳句による名作である。
分け入つても分け入つても青い山
炎天をいただいて乞ひ歩く
鴉啼いてわたしも一人
生死の中の雪ふりしきる
木の葉散る歩きつめる
まつすぐな道でさみしい
雨ふるふるさとははだしであるく
春風の鉢の子一つ
月も水底に旅空がある
うしろすがたのしぐれてゆくか
鉄鉢の中へも霰
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
だまつて今日の草鞋穿く
風の明暗をたどる
さて、どちらへ行かう風がふく
何を求める風の中ゆく
ちんぽこもおそそも湧いてあふれる湯
うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする
すべつてころんで山がひつそり
いさましくもかなしくも白い函