ホーム > 昭和戦後後期 > 「甘え」の構造

あまえ」の構造こうぞう
―「甘え」をキーワードにした日本人論の名著―

 

土居健郎たけお(1920~)著。昭和46年(1971)刊。

日本人独特の心理である「甘え」をキーワードに、日本人の心理構造と日本文化について多角的な面から考察した書。

日本人論の名著としてベストセラーとなった。

いま遠慮が働く人間関係を中間帯とすると、その内側には遠慮がない身内の世界、その外側には遠慮を働かす必要のない他人の世界が位置することになろう。

面白いことは、一番内側の世界と一番外側の世界は、相隔っているようで、それに対する個人の態度が無遠慮であるという点では相通ずることである。

ただ同じく無遠慮であるといっても、身内に無遠慮なのは甘えのためであるが、他人に対する無遠慮を甘えの結果であるとはいえない。

前者では、甘えていて隔てがないので無遠慮であるのに対し、後者では、隔てはあるが、しかしそれを意識する必要がないので無遠慮なのである。

このように甘えが濃厚でも、また全く欠如していても、同じように人を人とも思わない態度が現われるということは注目すべきことである。(内と外)

明治期 | 大正期 | 昭和戦前期 | 昭和戦後前期 | 昭和戦後後期 | 平成期 | 海外 | 作家別 | 作品別 | このサイトについて