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知的ちてき生活せいかつ方法ほうほう
―渡部昇一流「知的生活」の送り方―

 

渡部昇一(1930~)著。昭和51年(1976)4月、講談社刊。

本書は著者の体験をもとに、知的生活を送るためのさまざまなアイデアが紹介されている。

読書の方法、カードの作り方、整理の方法、書斎の構想、通勤時間の利用法、ワインの飲み方、そして家庭生活との両立などが詳しく説かれている。

本書刊行後、読者の反響がたいへん大きく、その3年後には続編も出版されている。

身銭を切る
 身銭を切って買った本でなければ身につかない、などと言おうとも思わない。食事でも、学校で食べる給食も披露宴で出される食事もタダである。タダで栄養になるものも、おいしいものもある。また友達におごらせるのもよい。

しかしほんとうに味覚を楽しもうと思ったら、身銭を切った店の食事がよいのではないか。身銭を切っておれば、まずいかうまいかについての判断もきびしくなろう。

凡人の場合、身銭を切るということが、判断力を確実に向上させるよい方法になる。

 若いうちは金がないから、図書館を上手に使うことは重要な技術である。しかし収入が少いなら少いなりに、自分の周囲を、身銭を切った本で徐々に取り囲むように心がけてゆくことは、知的生活者の第一歩である。

西洋のことわざに、「あなたの友人を示せ、そうすれば、あなたの人物を当ててみせよう」というのがあるが、私はこう言いたい、「あなたの蔵書を示せ、そうすればあなたの人物を当ててみせよう」と。

「蔵書」のことを英語でライブラリイ、ドイツ語とフランス語でビブリオテークと言う。しかしライブラリイにもビブリオテークにも同時に「図書館」あるいは「書斎」という意味がある。

個人の「蔵書ライブラリイ」はいくら小さくても、その人の「図書館ライブラリイ」なのである。(3 本を買う意味)

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