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日本共産党にほんきょうさんとう研究けんきゅう
―日本共産党の戦前の全貌を描いた傑作―

 

立花隆(1940~)著。『文藝春秋』昭和51年(1976)新年号~昭和52年(1977)年12月号に連載。昭和53年(1978)刊。

日本共産党の戦前の通史。当時の関係者の証言を多数含む。民主集中制の欠陥やワン・オブ・ゼム意識の欠如など、立花の指摘は鋭い。講談社ノンフィクション賞受賞。

 政治の世界には相対的な真理しかないというところから議会制民主主義は出発する。ところが、共産党は政治の世界にも絶対的真理が存在し、かつ同時に自分たちがその体現者であるという二重の確信から出発する。

歴史の示すところは、こうした政治的絶対的真理の存在とその自己体現という二重の確信を持つ者が政権を取ると、その信じ込んだ真理の内容いかんにかかわらず善意の独裁者となり、善意であるが故に、(二重の確信を共有しない者に対しては)それだけいっそう苛酷な独裁政治をなしたということである。

 二重の確信を共有しない者とは、まず「科学的社会主義」とか、それの与える「歴史法則」とかいったものを真理とは認めない人。次に、それを認めても、共産党が唯一の労働者階級の代表者とはみとめないものである。要するに、共産党員とそのシンパをのぞく全部である。

 共産党がプロレタリア独裁論をほんとに捨てて、複数政党、政権交代を認める議会主義でいくのだということをほんとに信じてもらいたいならば、現在の自分たちが唯一歴史法則によって選ばれたものとする前衛エリート主義を捨てて、「共産党だけが」「真の」「最高の」階級組織あるいは国民組織であるといった意識を捨て、ワン・オブ・ゼム意識へ切りかえる意識革命が必要だろう。

この意識革命なしに共産党が政権を取れば、その時点で共産党は、意識革命が必要なのは国民の側だといい出して、実質的な独裁制へ向かって邁進まいしんするだろうことは疑いないからである。(ワン・オブ・ゼム意識の欠如)

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